ヒポクラテスのてぃかi

思考ダダ漏れ

アナフィラキシーショックについて

穴ふぃら!!ハチに刺された!!
ある症例についてだお わいもちっちゃい時にスズメバチ刺されてまだあと残ってるよ



初期のショック状態では血圧低下によりカテコラミンやグルカゴンの分泌が増加する。これにより血糖値が上昇し、また、ショック状態による末梢循環不全により低酸素血症となりエネルギー代謝が嫌気性に進むため乳酸が上昇する。


WAOガイドラインの診断基準に従うと、今回の症例ではスズメバチ(既知の抗原)に刺されてから数十分で以下の症状が出た
・立っていられないほどの幻暈、冷汗(突然の血圧低下や末梢循環不全)
・嘔気、嘔吐(突然の消化器症状)
となり3つの基準のうち、1つ以上を満たしているのでアナフィラキシーと診断できる。



昨年に一度刺されていて、その際は特に症状はなかったが今回(2回目)は刺されてから15~20分ほどして嘔気、嘔吐、腹痛、幻暈、発赤、ショック症状など様々な症状が出現した。ハチ毒にはヒスタミンやセロトニンなどが含まれるため、初めて刺された場合でも直接作用によりアナフィラキシー様ショック症状を引き起こすことがある。また、以前にハチに刺されたことがある場合、ハチ毒に対して感作されるため回数を重ねるごとに症状が重篤になる。特に2回目以降では大半の人がショック症状を呈し、わが国でも毎年30名ほどの死亡者が出ている。
また、アナフィラキシーショック早期の治療に成功した後に、抗原が投与されていないのに関わらず、数十分~数十時間後に血圧低下、喉頭浮腫、気管支痙攣、皮膚症状などの症状が再び発現し、時には初発アナフィラキシー症状より激しいことがある。この反応を二相性アナフィラキシーという。
本症例では、来院後、発赤の増悪とシバリングを認めたため、二相性アナフィラキシーを疑い、ソルコーテフ(ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム)を100mg投与している。アナフィラキシー症例では、二相性アナフィラキシーが発現することがあるので、少なくとも24時間は入院の上経過観察することが推奨されている。また、グルココルチコイドは作用発現に数時間を要し、二相性アナフィラキシーを予防する可能性があるとされている。


アナフィラキシーの第一選択治療としては、アドレナリンの投与である。今回の症例ではボスミン(アドレナリン)を0.3mg右大腿外側に筋注している。


アドレナリン筋注の適応は重症度分類におけるグレード3の症状である。
・アナフィラキシーの初期治療
アドレナリン筋注
アナフィラキシーと診断した場合、または強く疑われる場合は、大腿部中央の前外側に0.1%のアドレナリンを直ちに筋肉注射する。アドレナリンの血中濃度は筋注後10分程度で最高となり、40分程度で半減するため症状が続く場合は症状の改善がみられるまで5分おきに追加投与する。
また、患者の姿勢は急に立ち上がったりする動作を行わないようにする必要があり(数秒で急変することがある)、立位ではなく仰臥位にして下肢を挙上させる必要がある。嘔吐や呼吸促迫を呈している場合は楽な体位にして下肢を挙上させることが必要である。これは1注心血管コンパートメントの維持2empty vena cave/empty ventricle syndrome の防止が可能である。
 empty vena cave/empty ventricle syndromeを呈する患者の突然死のリスクは高い。これは投与経路の関わらず、アドレナリンが心臓に到達できずその結果身体全体に循環しないためである。


アナフィラキシーの初期治療において皮下注射より筋肉注射が推奨される理由としては、より迅速にアドレナリンが中心循環に達するからである。アドレナリンには骨格筋の血管拡張作用があり、骨格筋には血管が広く分布している。外側広筋(大腿部中央の前外側)への筋肉注射じの吸収は迅速でアドレナリンが速やかに中心静脈へ達する。
・ショックを発症しつつあるまたは、既にショック状態にある場合
アドレナリン静注
症状の改善が見られないときやショック時には高用量のアドレナリンを静注する。1~3mgアドレナリンは3分間かけてゆっくり静注し、4~10μg/minで持続点滴を行う。
・心停止を起こしつつあるまたは、心停止状態
アドレナリン静注
アドレナリンの静脈内急速投与が必要。


また、本症例ではアドレナリン投与に加え症状を緩和する目的でポララミン(d-クロルフェニラミンマレイン酸塩)、ガスター(ファモチジン)、プリンペランを各1A(アンプル)静脈内投与している。
・ポララミン(d-クロルフェニラミンマレイン酸塩)はH1抗ヒスタミン薬であり救命効果はないがアナフィラキシーにおける症状を緩和する。特に掻痒感、紅斑、蕁麻疹、血管浮腫、鼻及び眼の症状を緩和する。また、作用発現が緩徐な点、中枢神経系に対する有害作用の可能性がある点に注意しなければならない。
・ガスター(ファモチジン)はH2抗ヒスタミン薬でありH1抗ヒスタミン薬と併用投与されると紅斑、頭痛、などの症状軽減に寄与する。
・プリンペラン(メトクロプラミド)は脳の嘔吐中枢を抑制する。嘔吐したことに対し嘔気、嘔吐の症状緩和のため使用された。