ヒポクラテスのてぃかi

思考ダダ漏れ

真珠性中耳炎

腫瘍ではなくあくまで炎症によるもの


耳管狭窄症や滲出性中耳炎によって鼓室が陰圧になり鼓膜が内側に凹みポケット状になる。この陥凹の好発部位は2層で構成されている鼓膜弛緩部である。(緊張部は3層)なので真珠性中耳炎は上鼓室を中心に侵されやすい。
このポケットに扁平上皮細胞が迷入することで垢がたまり、これらが増殖することで内耳腔に侵入し強い骨破壊を伴いながらゆっくりと進行していく。
真珠腫(耳垢の塊)に細菌感染症を生じることで耳痛や悪臭を伴う膿性鼻漏が繰り返し、あるいはいつも持続的に出てくる。また、感染による炎症で骨破壊の症状も進行する。


症状
初期では真珠腫が小さいため、ほとんど自覚症状はなく進行することで耳漏、耳痛、難聴などの症状があらわれ、さらに放置すると耳鳴り、回転性めまい、顔面神経麻痺、骨破壊が頭蓋内に達すると髄膜炎や脳炎になり命に関わる。
難聴:通常は耳小骨が破壊されることによる高度の伝音性難聴を来すが、病変が進行していると蝸牛が侵されることで感音性難聴も伴い混合性難聴となる。
幻暈:前庭・半規管の骨迷路が侵されると末梢性前庭性めまいを引き起こすことにより瘻孔症状Tullio現象(トゥリオ現象)を伴う。



なぜ鼓室が陰圧になるのか?
鼓膜は外側から皮膚層、中間層、粘膜層から構成されていて本症で問題になるのは皮膚層。
髄膜炎、脳炎
難聴、耳漏を主訴とする慢性中耳炎は3種類ある。穿孔性中耳炎、癒着性中耳炎、真珠性中耳炎
骨破壊の機序としては細菌感染症により炎症が起こり、脂肪酸が産生されることでPhが低下することで酵素が活性化され骨が溶解されるという説がある。