ヒポクラテスのてぃかi

思考ダダ漏れ

SIADH

なんらかの理由で、ADHの分泌が亢進することで、集合管での水の再吸収が促進されると細胞外液量、循環血漿量が増加することにより以下の事が起こる。


①腎糸球体濾過量増加(GFR↑)により原尿へのNa排出量増加


②腎糸球体輸入細動脈圧が上昇することでRAA系が抑制されアルドステロン↓でNa再吸収低下


③心房内圧の上昇により心房性Na利尿ペプチド分泌亢進


これによりNaの排出が亢進と同時にNa利尿が生じ細胞外液量は正常な(四肢の浮腫、胸水、腹水が見られない)低Na血症となる。


症状:頭痛、傾眠、悪心、嘔吐、昏睡、けいれん


低Na血症になると、脳浮腫の症状がでてくる。


細胞外液の浸透圧が低下することにより細胞内に水が引き込まれ細胞内浮腫という状態になりとくに脳の神経細胞に生じると問題となる。脳浮腫の状態になると頭蓋内圧亢進(頭痛、悪心、嘔吐)、傾眠、昏睡などが出現する。


ADH分泌が亢進する理由


①中枢神経系疾患:脳腫瘍、髄膜炎、

②胸腔内疾患:胸腔内圧が上昇し静脈還流量が減少すると左心房の容量受容体に感知され迷走神経を介してAVP分泌抑制機構が解除される。

③薬剤:ビンクリスチン

④異所性AVP産生腫瘍:小細胞癌

PTHの作用


① 破骨細胞の活性化
  骨吸収により骨(ヒドロキシアパタイト結晶)を分解→血中 Ca2+、P、OH- 上昇


②近位尿細管におけるHCO3-の再吸収抑制
  これによりOH-の排泄を促進→PTH過剰で代謝性アシドーシス(血中HCO3-↓➡Cl-が代償性に再吸収↑➡高Cl性代謝性アシドーシス)


③遠位尿細管でのCa2+の再吸収促進
  尿細管でのCa再吸収は亢進しているものの糸球体ろ過量も増加していて相対的に尿中Ca排泄も増加する→PTH過剰で尿路結石


④近位尿細管でのVitDの活性化促進
  
 活性型VitD(1,25-(OH)₂D)の作用
   
   Ⅰ:小腸からのCa2+、Pの吸収を促進
   Ⅱ:骨吸収、骨形成ともに促進し、骨代謝を高める
      骨形成を担う骨芽細胞はFGF23を分泌。
   Ⅲ:遠位尿細管でのPTHのCa2+再吸収作用の増強
※FGF23の作用
   ①腎でのP再吸収抑制→Ⅰの作用より強く結果的には血中P濃度下げる
   ②腎でのVitD活性化阻害→Ⅰの作用を抑制
          
 


  Ⅲ:遠位尿細管でのPTHのCa2+再吸収作用の増強